サッカーを選んだのは自分自身の可能性を見つけたかったから。
ピアノだって嫌いじゃない。
でも…どことなく親のレールに乗ってるみたいで。
体を動かすのに唯一許されたサッカー。
強豪と言われた武蔵森に入ったのは、そこに入りたいと思ったから。
そこに、自分を見つけてくれる何かがあったと思ったから。








-- and-- since he wanted to meet that man again -- …そして…あの人にまた会いたかったから…。









+視線+ -side K-









最初はすごいと思った。
あの人みたくなりたいと思った。
憧れと尊敬だった。
僚に入って最初に親友になった誠二も
一年でレギュラー獲得してすごいと思ったけれど。
武蔵森一軍レギュラーの練習を見に来ている
女の子の黄色い声がすごくわかる気がする。
男の俺から見ても格好いいから。
いろいろと流れてる悪意と皮肉に満ちた噂。
本当の事は自分にだってわからない。
けれども…そんなもの彼にとっては一つの
魅力にとかわってしまう。





「どうしたの?一軍はやっぱりつらい?」
練習が一通り終っての小休憩。
肩にタオルをかけた藤代は、
片手に新しいタオルを持ったまま笠井に話しかける。
一年のときから一軍にいた藤代とは違い、
三年の卒業と同時に一軍にあがった笠井は練習量に時々ついていけなかった。
人より多少体力がないのは自分でもわかってるし、
クラスメイトでルームメイトの藤代もわかってくれている。
だからこそ休憩時間ごとに、こうして心配してくれるのだ。
「ううん。ありがと誠二。
ちょっとボーっとしてただけだから。」
心配かけないように軽く笑うとタオルを受け取って、
自分の汗を拭き取る。
「そっか。後は紅白試合で終了だって。
 今日の夕飯はハンバーグだから超楽しみでvv」
「付け合せも全部食べようね。」
るんるんと浮かれる藤代にきつい一言。
「……にんじん以外なら…。」
「キャプテンに怒られるの覚悟でね。
 遅かったら先に部屋に戻ってるから。」
それは遠まわしに僕は食べないよと藤代に伝える。
毎回毎回食べてあげるんじゃないぞ。
と、キャプテン直々のご命令である。
「うう…タク酷い…。」
「嫌いなものはない方がいいんだ…。」
からね。と言いかけて感じるのは人の視線。












えっ?
今こっち見てた?
まさかね…。













台詞を止めた笠井を藤代は不思議そうに見る。
「やっぱりつらいん?」
「いや…今…誰かに見られてた気がして…。」
誰が…とは言わないけど。
自分が気づいたくらいだから、
勘の鋭い誠二ならすぐに気づいてるはず。
「へ?全然。気のせいじゃないの?」
間抜けな声を出して藤代は笠井が予想していなかった答えを返す。













気づかなかったの?
あの視線に?
じーっと見てたのに?













「タクは可愛いからな。うん。」
などとふざけた台詞を言う誠二に拳一つ。
「そ…だよね。」
藤代がわからなかったんなら気のせいだろう。



そう自分に言い聞かせる。
まさか…見てたとしても理由がない。
自分が彼を見るならともかく…。
それさえも理由を説明しろといったら
憧れと尊敬というお決まりの文句しか出てこないだろう。












決してそれ以上ではないのだから。















それ以上になったら悲しいのは自分だから…。








調子にのって第二弾♪
しかも微妙に続き物っぽい終り方(汗)
せめてそれぞれのサイドだけで終るといいな…。
(先をみこして計画を立てましょう)
でも続いていきそうだよな…きっと。
(別コンテンツ話みたく)
いまだに性格がつかみきれていない…初心者。
では。続きでお会いいたしましょう
(それがいつになることやら…しゃれにならないよな…)