「うわぁ〜見てください。」 夜の公園。 人の気配はない。 あるのは木々が息吹く音と、風の音だけ。 昼間とはまるで別空間。 そんな状況に嬉しいのかシンは軽い足取りで先を行く。 後ろから付いてくるアスランの気配を感じつつ。 ふと、止まった視線の先には小さな池。 何かに吸い込まれるように池の中心へと進んでいく。 水面に映る月の美しさにシンは柵から身を乗り出しつつアスランを呼ぶ。 「・・危ないぞ・・。」 そう言いながらシンに近づくと同じように水面を見る。 「ああ、本当に綺麗だな・・。」 池をみて同じようにつぶやくアスランをシンはそっと横目で見る。 光を反射して、闇に溶けそうな蒼い髪はそのそんざいをはっきり主張している。 もし光が無かったらどうするんだろうとシンは思う。 自分の考えにシンはかぶりをふる。 「どうした?」 じーっと自分では気づかないほど凝視してしまっていたのだろう。 アスランが不思議そうにこちらを振り向く。 「いえ・・・・」 恥ずかしくなって、ふと目をそらすと再び池を見つめる。 この闇に溶けそうな黒。 それは一瞬赤い色を持って自分に主張をしてきたが再び見えない位置に戻される。 もし、その目が閉じられたら・・・・。 闇にまぎれてわからなくなってしまいそうで・・・。 「・・・・シン・・・」 ぎゅっと後ろから抱きしめ、その存在をきちんと確認する。 一瞬、驚いたシンだが嫌ではないのかすぐに腕の中でおとなしくなる。 「・・・どうしたんですか?急に。あんたらしくもない。」 「いや、君が消えそうで・・こうやって確認したかったんだ・・・。」 「俺は消えませんよ。あんたの方が消えそうで俺は怖いです。」 闇の中。 手が届かない場所。 同じ考えと不安と安心させる言葉。 それだけで、嬉しくて。 シンはアスランと視線を合わせると軽く笑う。 その笑みを見てアスランも軽く笑うと、抱きしめていた片手をそっとシンのほほに添える。 ちょうどいいタイミングで雲に隠れた月は、二人を同時に闇の中へとけした・・・・・。 |
公園で湖に写った月が綺麗だったのでv
シンきゅんの赤い目は夜に映えると思います。