放課後は学校が終わったらクラスメイトに祝われた。




「おめでとう。刹那。」
「これ、私とさじで選んだのよ!」
「気に入ってくれると嬉しいけど・・・。」





帰り道に偶然(?)居合わせたらしい知り合いに祝われた。





「刹那。これ、大切にしろよ。」
「ふふ。おめでとうございます刹那さん。」
「チビもちったぁ成長したのか?」
「失礼だよハレルヤ。刹那、誕生日おめでとう。」
「おめでと〜なんなら一杯おごるわよ。」
「刹那は未成年よ。これ。あの…私から…。」









家に帰ったら…。







真っ暗だった。








ドアをあけて迎えてくれるのはハロ一匹。








机の上に誕生日ケーキがあって見たこともないご馳走があって。
それと、何が嬉しいのかわからない程のハイテンションな同居人が居て。








そんな事は、もうあるわけないのに。








悲しい気分になった自分に気がついたのか、ハロが足元に纏うように擦り寄ってくる。
しゃがみそれを静かに抱きしめると暖かな体温。










『おめでとう。刹那。』










耳に残る優しい声。
目を閉じると何度も思い出す。




誰に祝われても嬉しくない。
ただ一人…あんたに祝って欲しかった・・・。







突然、ふわりといい香りが鼻腔をくすぐる。
目を開けるとそこは黄、クリーム、白、橙黄の花々。
まるで滝のように自分に降り注いでくる。





「これ・・・?」






「ディモルフォセカ。花言葉は元気,幸福,誠実,変わらぬ愛。」







聞きなれた声。
立ち上がって振り向くとにっこりと笑って立っている同居人。
そっと広げられた両手を合図に胸の中へと飛び込む。
大好きなぬくもり。
離したくないとばかりにスーツを握り締めると、ぎゅっと抱きこんできてくれる。








ああ。
他の誰でもない、あなたに祝われればそれだけでいい。































ふと、気がつくと目の前に見えるのはスーツでなくて黄、クリーム、橙黄の綺麗な花。
自分の誕生花らしくラボで育てたのを大量に貰ってきて飾ってくれたらしい。

「夢・・・?」

着ている服は学生服じゃなくてCBの見慣れた制服。
足元に転がるハロは犬でなくオレンジ色の球体。












だけど…肩に残った花びらは…白色で…。